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OBOG会

関龍さん(せきとおる)

平成16年度インターナショナルリーダーシップアカデミー参加生

関 龍(せき とおる)さん

高校生プログラムILA(インターナショナル・リーダーシップ・アカデミー)のOBで、ケニアの国際生物多様性センターでインターンシップを経験した関さんから、ケニアの様子と夢について語っていただきました。

ケニアの様子

私は今、ケニア東部キツイ県の農村で伝統野菜の種子普及に関する社会的ネットワークの調査を行っています。ここでは広大な肥沃土壌にトウモロコシ、サトウキビ、カオピー、キャッサバ、バナナなどの多様な作物が栽培されており、豊かな自然環境が存在します。このような自然環境の豊かさに加え、現地の農家の人たちが持つ自然に対する知識の豊富さにはいつも驚かされます。農家の人たちは大雨季の播種のタイミングを「Nzua」という羽蟻が飛び回る時期から判断します。また、1つの畑にあらゆる作物を混作することで主要作物が収量低下した場合に収穫物がなくなるリスクを分散できることを知っています。アフリカ農業と聞いて、私たちのイメージの中では「後進」「貧困」という言葉が先行しがちですが、私たちが抱くイメージとは別に、現地の農家の人たちはあらゆる戦略と知恵を持ち合わせていることを肌で感じます。日本にいるときには地元長岡のおじちゃん、おばちゃんたちが先生でしたが、今はケニアの農家のおじちゃん、おばちゃんたちが先生です。また、村を歩くと知らない人同士でも自然に挨拶を交わし、さまざまなコミュニティグループが活発に活動を展開している姿を見かけます。電気も通っていない上下水道もないところでも子どもたちがみんな元気にたくましく走り回っています。ケニアの農村では質素でありながらも人と自然との調和した営み、人と人とのつながりを強く感じます。ケニアの農村で人々が助け合い、たくましく生きる姿から私たち日本人が忘れかけている大切なことを学ぶときがあります。

将来の夢

小さい頃から地元で地域振興に携わる人たちと一緒に学び汗を流してきた経験が今でも私の原点になっています。地域に住む人たちが自らの地域の持つ固有価値を磨き上げ、自分の生まれ育った地域に誰もが誇りを持っていけるように、大学院では日本国内・海外の双方向の知見から農村・地域開発マネジメントを専攻しています。将来的には地域開発のプロフェッショナルとして地域レベルでの持続可能な発展に貢献したいと思っています。また、私自身が長岡を離れて改めて自分の足元を支えている地域やコミュニティの存在の大きさに気づくことができたように、これからの若い世代がもっと海外の現場に出て学ぶことのできるチャンスをつくりたいです。長岡の人たちが幾度の震災からも立ち上がってきたように、日本の地域から世界に発信すべき地域振興・コミュニティ再生のノウハウがたくさんあります。それと同時に、いつかは長岡の学生たちをケニアのキツイ県の農村に派遣し、ケニアでお世話になった農家のおじちゃん、おばちゃん、若者たちを長岡に招くことが私の密かな目標です。

機関紙「HOWDY」第70号に掲載された「がんばってます!OBOG」より
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    ケニアの子どもたちと関さん

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    地域の人の声をを真剣に聞く関さん

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相互リンク

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