第6回学生平和交流プログラム in Honolulu
第6回目を迎える今回は、真珠湾攻撃から75年の節目であり、例年以上に注目された
真珠湾追悼式典への出席、黒焦げの水筒記念式典、シンポジウムが行われ、大学生8名
と高校生4名が参加し、平和・友好・和解、そして平和の多様性を学びました。
日程
月 | 日 | 内 容 |
12 | 5 | 長岡駅 出発 |
東京駅 到着 | ||
成田空港 出発 | ||
戦艦ミズーリ(Battleship Missouri)、他 見学 | ||
カメハメハ高校訪問・キャンパスツアーほか | ||
グローバル・スタディ・ディナー 出席 | ||
12 | 6 | 真珠湾ビジターセンター 集合 |
黒焦げの水筒式典 参加 | ||
太平洋航空博物館~シンポジウム~ | ||
共同声明発表 | ||
太平洋航空博物館見学 | ||
12 | 7 | 真珠湾追悼式典 出席 |
ホノルル動物園 錦鯉贈呈式 | ||
ハワイ大学 交流会(昼食・プレゼンテーション・他) | ||
パンチボウル 献花 | ||
えひめ丸 献花 | ||
12 | 8 | ホノルル市庁舎 表敬訪問 |
ホノルル総領事館 表敬訪問 | ||
イゲ州知事夫人 面会 | ||
JASHにて、ホーキンス氏 英語研修(60分) | ||
ビショップ博物館 見学 | ||
12 | 9 | ホノルル空港 出発 |
12 | 10 | 成田空港 到着 |
東京駅 到着 | ||
長岡駅 到着 |
「黒焦げの水筒」についてのエッセイ ※参加生12名が作成
はじめに
私たちが今後の未来を担う「黒焦げの水筒」の学びを受け継ぐ若い世代として、
重要だと思うことが3つある。それは和解を慎重に進めること、平和に向けて
アクションをおこす勇気を持つこと、そして異文化について知ることの価値だ。
1つ目として、
和解を進める際は結果だけでなく、その過程も重要だ。和解は結果としては
良い事だが、その過程にはリスクがあると考える。多くの人は「和解」と聞く
と、真っ先にプラスのイメージを持つだろう。
例えば、話し合いが容易になる。
遺族に遺品が戻る。
そして、安全に暮らせることだ。
しかし、私たちはこの本を読んで、1つの和解がすべての人に当てはまるわけ
ではないことに気づいた。なぜならそれは、それぞれ立場や経験が違うと和解の
捉え方も違い、同じ「和解」でもそれが共通認識ではない可能性があるからだ。
それを理解せず、ひとつの和解を強要するとすれ違いが起きるリスクがあると
考えた。だからこそ、和解について考える際には慎重に進めていくことが大切
である。そうすることで過去を受け入れ、未来へ前進するきっかけになる。
2つ目として、
Peacemakerとして求められる勇気は様々だ。
先ずは、伊藤福松さんが、アメリカ兵の遺体を敵味方関係なく埋葬した勇気だ。
これは、敵味方関係なく兵士の魂を鎮める最良の方法だ。彼は、周りの人から
疎まれる事をわかっていても自分の信念を貫き、そして慰霊祭を開催し、継続
する勇気を持っていた。
次に、全員が持てる勇気だ。
先入観を持たず、正しい判断、行いをする勇気。例えば差別をしないこと。
復讐をすることではなく、許し合う勇気。
自らの無知を認め、自分たちの常識を疑う勇気。
以上が先人たちの勇気である。私たちが持てる勇気は、平和に向けて活動・
行動する勇気である。
例えば、かつて敵国同士だった私たちが、こうしてホノルルを訪れ平和に
向けて友好関係を築くことである。
最後として、
異文化間での友好関係を築くことの価値は、「知る」ことにあると考える。
例えば、この本の内容も、私たちにとっては異文化であり、この本を読むこと
自体が私たちにとって異文化を知ることである。今、こうして、アメリカ人で
あるあなたたちと、日本人である私たちが、本を通して話し合うことで和解へ
の道を歩んでいるは明らかだ。
さらに、相手のことを知ることによって、無知による犠牲を減らすことがで
きる。戦争当時、アメリカと日本の国民は、お互いをよく知らないにも関わら
ず憎みあっていた。もしも、お互いのことを知ろうとし、歩み寄る姿勢を皆が
持っていたとしたら、伊藤さんが米兵を埋葬したことも、日本人から非難され
ることはなかったのかもしれない。
異なる文化の存在を知り、それを理解しようと試みることは、友好関係を
築くことにつながり、それが和解への一歩となりうるのではないだろうか。
おわりに、
私たちが本を読んで伝えていくべきことは、リスクと利益を考慮し、和解
の結果だけを求めるのではなく、過程も重要であるという事だ。また、平和
の使者として求められる勇気を備える事、そして、異文化間での交流によっ
て相手を知ることだ。これらを踏まえ、心を開き、先入観を持たず、この本
で得た知識やこの場で感じた事を身近な人への発信から始め、私たちは平和
の使者としての一翼をになう。