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交流活動一覧

学生平和交流ホノルル

第3回学生平和交流 in Honolulu

長岡の大学生、専門学校生、高専生(4年生以上)を対象に行う平和交流プログラム。
第3回目となる今回は、男性1名、女性1名、計2名が参加し、真珠湾追悼式に出席するなど、長岡とホノルルの架け橋となるべく交流を行ってきました。


  • 真珠湾平和教育部長との対談


  • 真珠湾追悼式典


  • アラモアナビーチパーク


  • モアナルアガーデン


  • イオラニスクール訪問


  • ハワイ大学の学生と平和対談


日程

日程 内容
2013/
12/2(月)
  • 長岡出発
  • 羽田出発
  • ホノルル到着
  • モアナルアガーデン
  • タンタラスの丘
  • アラモアナビーチパーク
  • えひめ丸慰霊碑 献花
12/3(火)
  • 戦艦ミズーリ見学
  • 真珠湾太平洋歴史公園・教育部長ハインツ氏と平和について対談
  • フォード島見学
  • パリ崖見学
12/4(水)
  • ハワイ大学 キャンパス見学
  • ハワイ大学の学生とのランチ・ディスカッション
  • ビショップ博物館
  • ハワイ青少年教育プログラム資金集めのためのサイレントオークション
12/5(木)
  • ホノルル市郡 市庁舎表敬
  • 日本総領事館表敬
  • カメハメハ大王の像見学
  • イオラニスクール訪問・授業体験
  • ヒッカム米国空軍基地見学
12/6(金)
  • 終日自由
12/7(土)
  • 真珠湾追悼式典出席
  • 太平洋航空博物館見学
  • 黒焦げ水筒追悼式典 ランチ・ディスカッション
  • 黒焦げ水筒追悼式典 アリゾナメモリアル慰霊
  • ホノルル金毘羅神社見学
  • 国立太平洋記念墓地献花
12/8(日)
  • オアフ島観光
  • ホノルル出発
12/9(月)
  • 羽田到着
12/10(火)
  • 長岡到着

体験記

Boys, be good students!!!

2013年12月7日、私は真珠湾追悼式典に参加をさせて頂いた。このプログラムに参加するにあたり、「アメリカ側の立場から見た太平洋戦争、ならびに真珠湾攻撃について理解する」という目標を立てた。何事においても言えることだと思うが、物事を正しく理解するためには、客観的、かつ包括的に状況を捉え、分析することが必要だと考えるからだ。

日本で生まれ育った私は、当然の事ながら“日本の立場”から物事を見ている。現在、隣国(中国・韓国)との間でさまざまな外交問題が取り上げられているが、もし仮に私が中国人だとすれば、同じ出来事に対しても違った見方をするであろう。同様に山本五十六に関して言えば、長岡出身、ならびに日本人の私たちにとっては誇るべき人物であり、最後までアメリカとの戦争を回避しようとした人物とされているが、ハワイの人々にとっては、壊滅的な被害を加え、家族や愛する人を殺す戦争を始めた殺戮者と考えている人もいるだろう。このように立場が違うことで見方が変わるということが往々にしてある。これは当たり前のことではあるが、お互いを理解する上で、物事を偏った面のみからではなく、異なる立場や意見があることを認識することが非常に大切であると思う。

今回のプログラムにおいては、ハワイ日米協会会長のホーキンス氏をはじめ、多くの方々と意見を交換する貴重な機会を頂くことができた。特にアリゾナ記念館教育部長のポール・ハインツ氏との対談は非常に有意義なものであった。対談は「日米における太平洋戦争の見方の違い」「歴史教育」「和解の取り組み」などに及んだ。一例を挙げれば、第二次世界大戦に関する日本の歴史教育では、広島、長崎における原子爆弾の被害を主に取り挙げるが、真珠湾攻撃、中・韓国侵略など日本が外国で犯した被害については、あまり触れられていない。反対にアメリカ人の中には、原子爆弾は戦争を終了するために必要最低限の犠牲であったと肯定し、それらの被害について深く学んでいない人も多いという。中・韓国が事あるごとに第二次世界大戦を持ち出すことに疑問を覚えることも多いが、そのことも歴史教育、立場の違いによるものだろう。そういった違いを乗り越え、戦争のない良い未来を作っていくためには、お互いの立場を理解し、尊重することが大切だということに議論が進んでいった。

また対談の中でハインツ氏は「私たちは常にgood studentである必要がある」と繰り返し述べられた。ハインツ氏の言うgood studentとは、1) 何事においても興味を持ち、2) アンテナを張って情報を集め、3) さまざまな立場から物事を考え、4) 自分の意見を発信するということである。歴史を振り返ると、自国の利益のみを考えた結果、戦争が生じた。悲惨な戦争を繰り返さないためにも、皆がgood studentになり、もし国が誤った方向に行きそうな時には、それを正すことが国民の義務であるという言葉に強く共感した。

戦争を経験された方が少なくなり、戦争の記憶が風化されてきている。だからこそ、戦争とは無縁で育ってきた我々若い世代は、過去にどんな悲惨なことがあったかを学ぶ必要があるし、同じ過ちを犯さないためにも一人一人がgood studentでいる必要がある。そして戦争のない、平和な未来を作っていくためにも、自分の意見を周りに発信できる人物になっていきたい。
Boys, be good students!!!
1) 何事においても興味を持つ
2) アンテナを張って情報を集める
3) さまざまな立場から物事を考える
4) 自分の意見を発信する

「学校を卒業した後でも、常にさまざまなことを学ぼうとするgood studentでなければならない」という言葉は強く印象に残った。

本プログラムを通して、貴重な経験をすることができました。長岡市国際交流協会の皆様、ハワイでお世話になった方々、引率して下さった協会事務局の方に深く感謝いたします。

(参加生)

学生平和交流プログラムに参加して

私は、今回のプログラムに参加させていただき、多くのことを学ばせてもらいました。この貴重な9日間は発見の連続であり、全てが新鮮でとても刺激的なものでした。特に平和に関して、幅広い世代の様々な職種の方々から話を聞く機会をいただき、戦争の傷跡、現場を直接目の当たりにできたことは、自分の価値観を見直すきっかけとなりました。この場で全ては書ききれませんが、少し振り返ってみたいと思います。

まず、ハワイに到着。真っ青な空や海、大きなヤシの木を間近にし、初めてハワイの自然を肌で感じました。綺麗な景色を前にする度、こんなに美しくて、穏やかな地で戦争があったとは全く考えられませんでした。
しかし、昭和16年12月7日、きっとこのように穏やかな朝の中で、突然始まった真珠湾攻撃。実際にこの地で多くの人が亡くなったのだ。そう考えたら急に、とても恐ろしくなりました。東日本大震災などもそうですが、どんなに綺麗に修復されていても、その地で起きたという事実は変えられず、過去は忘れてはいけないなと思いました。

次の日、全長約270mもある戦艦ミズーリの見学。その大きさはまさに衝撃的でした。午後から、普段は入ることの出来ないフォード島の方に連れて行ってもらいました。そこには、落とされた爆弾の跡や、当時の建物の名残など、戦争の爪跡がしっかりと残っていました。現在でも、上空には飛行機の訓練が行われており、いつまた戦いが勃発するか分からないのだと実感しました。

そして、ハワイ大学やイオラニスクールの訪問。プレゼンテーションは少し緊張しましたが、私たちの考える平和が、どのようなものか伝えられた気がします。ディスカッションでは、日本はテクノロジーに優れていて平和だと言っていました。学生たちはとても積極的で、日本の文化や伝統など次々に質問してくれました。ハワイの中で、こんなにも日本に興味を持ってくれている人たちがいるのだと知り、嬉しかったです。

市役所訪問では、世界の平和のためには、どうしたら良いのか副領事官たちと話し合いました。今後も、ホノルルと長岡が強い絆を繋いでいく為に、復興に向けてお互いの良さを理解し合い、共に前に進んでいくことが大切だと感じました。

そしてついに、パールハーバーの式典。早朝から多くの方が集まり、追悼を行いました。真珠湾攻撃と同じ日、同じ時間に、同じ場所で行われるこの式典に、とても深い、何か重みのようなものを感じました。目を瞑り、上空を飛ぶ飛行機の音が聞こえると、当時の光景を想像し、胸が苦しくなりました。しかし、ハワイの方々は涙の中でも笑顔を見せていました。そして、日本人である私たちを、アロハと優しく歓迎してくれた姿に感動しました。

恵まれた環境の中で育った私たち世代の日本人は、この幸せに慣れてしまい、その価値を忘れかけているような気がします。先人の方々の苦労が今の平和を築き上げたということを改めて実感しました。今、当たり前に与えられている幸せに、もっと感謝し、これを壊さずに大切にしていきたいです。

今回、事前研修も含め、改めて平和について学んできました。そして、ハワイへ行き、国は違えども、平和を願う思いは同じであると知りました。戦争は個人個人がどんなに優秀で良識を持っていても、国全体の教育や政治的な力で動いていく場合が多いと思います。国際的に納得できる制度や体制作りを目指し、様々な立場を越え、平和の為、十分話し合われることが大切なのだと感じました。戦争のように不幸をつくってしまうのも人間ですが、幸せをつくっていけるのも人間です。人同士がお互いを思い合って、交流の中で永遠の平和に向け絆を深めていく活動が世界中に広がったら、世界全体はより良い方向へ進んでいけると心から思います。

(参加生)

相互リンク

米百俵財団ウェブサイト